いつの間にか、何でもかんでもインターネットで検索する時代になった。小さな四角の枠に、調べたいことに関連する言葉をいくつか入れると、それに関わる情報を教えてくれる。研究者にとってそれは「神」ともいうべき存在で、分からない外国語の歴史用語が出てくると頼ることが多い。

 また、翻訳するとき、辞書に掲載していない使い回しでもインターネットにある場合も多い。翻訳家の方でも、そのようにインターネットを使っている方の話を聞いたことがある。

 しかし、ネットで検索をすることは、大量の個人の好みや関心を情報関連企業に提供する無償労働だということが最近言われるようになった。私たちはそうやって自分の内面を企業に提供し、企業は私たちにふさわしいと思われる広告を提示して、それを見て買う、というサイクルが生まれている。なんだか気持ち悪くなった天邪鬼(あまのじゃく)の私は、ネットで検索しないで一日過ごしてみようと実験してみた。

 やはり検索は中毒だったらしい。すぐに禁断症状が現れる。知りたい、...