毛利元就が石見進出の際に本陣を置いたとされる二ツ山(島根県邑南町鱒渕)に、瑞穂小学校(同町下田所)の児童25人が16日、段ボールで作った甲冑(かっちゅう)姿で登った。山頂からのろしを上げる趣向もあり、戦国の世に思いをはせた。
島根県内有数の規模の山城があった二ツ山城跡を活用したイベント。段ボール製のかぶと、よろいは、児童が8、9月にアクリル絵の具で赤、青など思い思いの色を塗り、好きな武将や自分の家の家紋を描いて仕上げた。
この日は近くの公民館前で出陣の気勢を上げ、バスで移動。「西の丸」があった標高530メートルの山の頂まで20分ほどかけて登った。
山頂ではイベントを企画した地元住民グループ「どがあずしょう会」の三上結城会長が「敵が来たことを知らせるためにのろしを上げた」と説明。まきと杉の青葉をくべ、もくもくと上がる煙に、児童が沸いた。
4年生の武田智喜君(10)は「甲冑を着て写真を撮って楽しかった。二ツ山の歴史をもっと知りたい」と話した。 (糸賀淳也)