笑いで地域を活性化!
個性生かすネタ磨いて
山陰中央新報社の石見政経懇話会、石西政経懇話会の定例会が18、19日、浜田、益田各市であった。元よしもとクリエイティブ・エージェンシー専務の竹中功氏(63)が「笑いで地域を活性化!」と題して講演。自身が携わった地域振興の経験を踏まえ、お笑い芸人のように瞬発力よく、うけるネタを作って個性を磨くことの大切さを説いた。要旨を紹介する。
地域おこしを考えるには、その町の風土や歴史など個性を知ることが必要だ。大阪市内の商店街を舞台にした喜劇上演を企画した際、台本を読んだ商店街の関係者から「どこでもできる内容ですよね」と言われたことがある。
そこで地名の由来、出身の有名人、起きた事件を調べて取り入れ、目を引くオリジナルの喜劇に仕上げた。個性が詰まったオンリーワンを追求しないと、盛り上がりに欠け、埋没する厳しい現状がある。
個性を磨けば強みになる。興行チケットを扱ってもらおうと地方を営業で回ったとき、全く同じ土産物を売る二つの旅館があった。よく売れる旅館の方には口達者な店員がいた。宿泊者に「近くに見晴らしの良い展望台があるから、明日出発する前に寄ってみるといいですよ」と気さくに話しかけていた。愛想が良く、役立つ情報を教えてくれる店員が、その旅館の個性となり、売り上げに差がついていた。
個性を磨く上で大切なのは、状況に合わせて常に変化すること。生き残るお笑い芸人は、笑いが取れなかったら、客目線に立ち、ネタを即座に変えたり、新たに作ったりする。地域おこしも同様に相手の目線に立ったアイデアが常に求められる。
雑談しながら洗いざらい意見を出すことが大事だ。「普通はこうだ」「誰でも知っている」といった固定観念を基に、すぐに否定するのはよくない。雑多な意見を組み合わせたら、輝くものもあるからだ。
(宮廻裕樹)