国史跡・月山富田城跡(安来市広瀬町富田)の中腹にある復元建物を活用した「尼子の茶店」が毎週日曜に開かれ、訪れる歴史ファンらに喜ばれている。広大な山城で「途中に休憩所が欲しい」という観光客の声を受け、安来市商工会女性部広瀬支部が今月9日に始めた。コーヒーなどを出すほか、道案内役も担い、城跡の魅力向上に一役買っている。 (桝井映志)
富田城跡は月山(約190メートル)に築かれ、戦国大名・尼子氏の本拠地だった。麓の「道の駅広瀬・富田城」(同市広瀬町町帳)から登ると、山頂の本丸まで1・8キロある。敵が迷うよう途中で何カ所も道が枝分かれし、広大な山城だ。
茶店は道の駅から0・8キロの「花ノ壇」にある。かつて武将の住居があった場所で、市が復元建物を整備していた。電気や水道が整備してあり、市商工会女性部広瀬支部が活用を発案。市から借り受け、テーブルや椅子を置いて営業できるように整えた。
営業時間は、日曜午前10時~午後3時(雨天休業)。番茶を振る舞うほか、コーヒー(300円)、クッキー(150円)、パン(120円)などを出す。23日も観光客が立ち寄って一息入れ、「本丸まではあと何分?」「ここをまっすぐ行けばいい?」などと尋ねて案内を受けていた。
11月末で営業をいったん終え、冬場の休業を経て来年4月に再開する。広瀬支部の吉田美智子部長(75)は「城跡がすごかったということと、広瀬の人は温かかったと思ってもらえるようにしたい。無理のないように続けたい」と話した。