長年にわたり国内外の風景などを撮り続けてきたアマチュア写真家・安達彰さん(80)=松江市浜乃木5丁目=が写真家生活40周年を記念し、写真集をまとめた。撮影活動の集大成と位置付け、島根県内の風景を中心に約70枚を収録した。 (広木優弥)
島根銀行西郷支店に勤めていた1980年ごろ、アマチュア写真家の誘いでカメラを手にした。以来、県内を中心に遠くは中国や韓国、米ハワイにも足を延ばした。2009年に松江の船神事ホーランエンヤをテーマに千部限定で作った写真集は現在、オークションサイトで、高値で取引されるという。
80歳を前にした19年ごろから終活を意識するようになり、自宅にあった約2万5千枚のプリントの整理を始めた。同時に作品集としてまとめた方がいいと思い立った。
制作期間は約3カ月。収録したのは、04年の浜名湖花博(静岡県)のフォトコンテストでグランプリを取った「朝陽を浴びて」、国賀海岸(島根県西ノ島町)の摩天崖を写して07年の自然公園写真コンクールで特賞の環境大臣賞を獲得した「国賀海岸」など、コンテスト入選作品が半数以上。
大山山頂と日の出の太陽が重なった瞬間を押さえた「朝陽の出雲富士」といった近年の作品まで、40年の全期間から選んだ。
「どれもこれも全て思い出がある写真たち。なかなか思い通りの色が出ず、何度も印刷会社に直してもらった」とこだわった。写真集はB4判変形、68ページ。50部作り、松江市内の図書館などに配った。
今後は撮影の機会を減らし、これまで撮りためた素材を使って、新しい作品の制作に傾注する。「この年になってもまだまだできることは何でもある」と創作意欲は衰えない。