2009年10月に起きた島根県立大生遺棄事件から丸13年の26日、浜田市野原町の県立大浜田キャンパスで追悼行事「はまだ灯(ともし)」があった。学生、市民ら約100人がろうそくをともして被害者を追悼し、悲惨な事件を繰り返さないと誓った。
はまだ灯は事件の教訓や防犯への誓いを後世に伝えようと、市民や学生有志が12年から毎年開く行事。今年は大学周辺のパトロール活動をする防犯サークル「SCOT(スコット)」が中心になって講堂前にキャンドル1200個を並べ、点火した。
学内のカフェテリアで参加者全員が1分間黙とうをささげ、清原正義学長が「事件を風化させないという気持ちを持ち続けていることに心から感謝したい」とあいさつ。
講堂前で学生の合唱サークル「Yellow Kite(イエローカイト)」が「上を向いて歩こう」など3曲を歌う中、参加者は夜風で揺られるキャンドルを見つめ、被害に遭った学生に思いをはせた。
日中、事件後に学内に整備された追悼花壇「ガーデン・オブ・ホープ」では学生や教職員20人が、ハボタン、ビオラなど新たな花に植え替えた。
スコットの今川龍一代表(20)は「事件は今後、昔の話になっていく。市民と学生との懸け橋としてはまだ灯を続けていきたい」と話した。 (宮廻裕樹)