7月も小麦粉やパン製品が値上がりする。スーパーに多く出回る夏野菜をふんだんに使えば、4人前で1食200円以下が可能になり、家計の助けになりそうだ。SNSなどで節約料理を紹介し、フォロワーが3万人超の料理研究家「よっち」さんこと福島由子さん(37)=松江市在住=に、一工夫するポイントを聞いた。調理するのが嫌いだったというパート職員が、レシピ紹介で認められるインスタグラマーになった経緯とは・・・?(Sデジ編集部・鹿島波子)
もやしでかさ増し!イタリア料理の前菜・ブルスケッタ(食材費・4人前175円)
【材料】(4人分)
フランスパン 1本
トマト 1個、もしくはミニトマト 15個(200g)
もやし 1袋
乾燥バジル 好きなだけ
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1/2
【作り方】
①もやしの袋に5か所くらい穴を開け、レンジ(600W)で2分間加熱。袋に水を注いでさっとすすぎ、穴を使って水を切る。
★ここがポイント しっかりぎゅっと水を切って!
②もやし、トマトをみじん切りにする。
③全ての具材と調味料を混ぜる。
④パンを2cm程度に輪切りにする。
⑤具材をパンに乗せる

家庭菜園のミニトマトを大量にもらったことをきっかけに考案した。福島家ではバーベキューをした時、炭火であぶったバケットを使う。余った具材は、ドレッシング代わりにレタスと和えて食べてもおいしいという。
【動画撮影の裏側】
▽調理する喜びに気づく
家族5人分の食費を毎月3万円に押さえる。大切なポイントが「かさ増し」だ。インスタグラムの現アカウント開設から半年後の2023年2月にフォロワーが1万人を突破したのも、もやしをふんだんに使った味噌仕立ての「もやしの鍋」がバズったからだった。フォロワーは雪だるま式に増え、6月27日時点で3万3千人を超える。
調理に目を向けたのは2013年に長女が生まれ、離乳食を作らざるを得なくなったからだった。母親にホウレンソウのゆで方を聞くことから始め、料理本やレシピを掲載したウェブサイトを参考に作っていくうちに、自分なりに思い描く材料の配分や代用品を思いつき、試してみるようになった。離乳食作りの流れで、牛乳を豆乳に変えた「豆乳プリン」を初めて料理紹介サイト「クックパッド」に投稿した時、コメント付きの反応が返ってくることに喜びを感じ、気付いたらはまっていた。
キュウリで簡単!ジェノベーゼ風そうめん(食材費・4人前165円)
【材料】(4人分)
そうめん 2束
(A)キュウリ 1本 / ニンニク ひとかけ
乾燥バジル 小さじ1.5
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1/2
【作り方】
①(A)をすりおろす
②小さなフライパンに、そうめん以外の材料を入れて中火にかける
③ヘラで混ぜながら煮詰め、沸騰3分後に火を消す。容器に移し冷蔵庫で冷やす。
★ここがポイント しっかり煮詰め、水分を十分飛ばして!
④そうめんを決められた時間より30秒短くゆでる。(今回は1分半を1分に)
ザルにあげて冷水ですすぎ、さっと氷水にくぐらせて締める。拳で水分をしっかり絞り出す
⑤食べる直前に、ボウルにそうめんとジェノベーゼ風ソースを入れて和え、盛り付ける。

旬を迎えて安くなるキュウリと、夏の定番・そうめんを掛け合わせた。イタリア料理の伝統的ソース「ジェノベーゼ」で本来必要なバジルの葉やクルミなどで作る手間を省き、家にある野菜で安く手軽におしゃれ感を演出。調理時間は10分で、休日のランチにぴったり。パスタのように、好みでブラックペッパーや粉チーズをふるのもおすすめだ。
▽フォロワー増に苦心
調理をするようになって4年後の2017年、キューピーマヨネーズが主催した料理コンテストに「バターチキンカレー」を「よちよちよ」名義で出品して、最高賞を獲得。レシピの考案と紹介で生計を立てることを思い描くようになり、...