言葉に関わる教育に取り組む学校、団体、教育実践者を顕彰する「第53回博報賞」で、先駆性、独自性に優れた活動に贈られる博報賞に奥出雲町立高尾小学校(奥出雲町高尾、桑山悟校長)が選ばれた。小規模校ながら全校児童による落語を通じて自主性や積極性を養っているとして評価された。11日に都内で贈呈式がある。
高尾小の落語は2013年度、3、4年生の総合学習で導入。16年度以降は全校参加となり、県内外で寄席を開き、多くのファンもいる。落語の披露を通じて人前でも物おじせず発表ができるようになり、自身だけでなく他者の失敗を受け入れる寛容な心も育んできた。
子どもたちが寄席の運営や高齢者との交流など、自主的な学びを進め、児童数が少ない学校の課題とされる積極性や、言葉で思いを伝え、聞き手の思いを想像する力を伸ばしている点などが評価された。
指導に当たる川上宜久教諭(60)は「受賞をエネルギーにして子どもたちによる落語文化が奥出雲町に残るよう活動を続けていく」と話した。27日には同校で受賞記念寄席がある。
公益財団法人「博報堂教育財団」(東京都)が主催し、応募した61件のうち博報賞は同校を含む11件が選ばれた。
(狩野樹理)