迎え火を蹴散らす鷲原天満宮お神輿会の会員=島根県津和野町鷲原
迎え火を蹴散らす鷲原天満宮お神輿会の会員=島根県津和野町鷲原

 【津和野】みこしの担ぎ手が、まきをたいた「迎え火」を蹴散らして火の粉を上げる勇壮な行事「暴れ神輿(みこし)」が19日、島根県津和野町内であり、みこしの迫力とともに夜空に舞い上がる火の粉が祭りを盛り上げた。

 津和野町鷲原の鷲原八幡宮に合祀(ごうし)される鷲原天満宮の秋祭りに合わせて行われる。地元住民らでつくる鷲原天満宮お神輿会の22人が地下足袋に法被姿でみこしを担ぎ八幡宮を出発。町内13キロの道中に設けられた「御旅所(おたびしょ)」22カ所でお神酒やお茶、大根とニンジン、ユズ、油揚げが入ったなます、おむすびなどが振る舞われる中、練り歩いた。

 火を蹴散らすのは5カ所で、このうち八幡宮近くの空き地では一行が「わっしょい、わっしょい」と威勢よく迎え火に突入。燃える木ぎれを蹴散らし、真っ赤な火の粉を舞い上げた。

 天満宮の祭神・菅原道真を喜ばせる行事とされ、お神輿会の村田邦夫会長(70)=津和野町鷲原=は「後継者不足という課題はあるが、来年も皆でこの行事を守り、継承していきたい」と力を込めた。

  (中山竜一)