安来市清水町の古刹(こさつ)・清水寺の境内にある清水稲荷社参道に鳥居が3基加わり計57基となった。鳥居は近年、急速に数を増やしてきた。参道の荘厳さが増すとともに、目立たぬ場所にある稲荷社の存在を知らしめ、参拝者が増えているという。今月中旬に奉告祭が営まれ関係者が祝った。
清水稲荷社は清水寺本堂近くの山中にある。創建年代は不明。境内にある蓮乗院が2014年から管理を担うことになり、鳥居整備を企画した。参道は清水寺本堂からの約150メートルと手水舎(ちょうずや)からの約50メートルの二つがあり、14年時点で鳥居は6基だったが、真っ赤な鳥居が立ち並ぶようになり、稲荷社らしさが増してきた。
今回3基加わった手水舎側の参道は22基、本堂側は35基。全国各地の事業者や個人が奉納した。
奉告祭では、蓮乗院の清水谷善暁住職(45)=清水寺貫主(かんす)=や奉納者ら約10人が真言を唱えながら渡り初めをし、本尊の■(口ヘンに託のツクリ)枳尼(だきに)天を供養するお経を唱えた。清水谷住職は「かつては訪れる人がいなかったが、鳥居ができて人の流れが変わった。境内をいろいろ巡ってもらえるといい」と話した。もう立てられる場所が限られてきており、今後の整備は未定という。
(桝井映志)