短歌 宮里勝子選

新聞の文芸欄を教科書に幾度も読む月曜の朝           安 来 鐘築 京子

 【評】毎週月曜日の朝を待ちかね文芸欄に見入っておられる様子が目に浮かぶ。短歌は詠むこと以上に読むことが学びになると思います。幾度も読むに作者の思いが表れていて、無駄がなく素直な気持ちがくみ取れる。

人様の恩情に触れグッと来る紛失物が戻った奇跡         奥出雲 中林 正子

 【評】諦めていた失せ物が戻った喜びは言うまでもない。無くした途端にその品物が愛おしく思える。...