完成した白バイ貝の缶詰
完成した白バイ貝の缶詰
白バイ貝の缶詰を商品化したバイかご漁業者=松江市殿町、島根県庁
白バイ貝の缶詰を商品化したバイかご漁業者=松江市殿町、島根県庁
完成した白バイ貝の缶詰
白バイ貝の缶詰を商品化したバイかご漁業者=松江市殿町、島根県庁

 島根県隠岐の島町特産の白バイ貝(エッチュウバイ)の缶詰商品ができた。町内のバイかご漁業者が町の支援を受けて開発。国内屈指の漁獲量がありながら、需要が減少する白バイ貝をいつでもどこでも味わえる一品として発信する。販売は来年2月から。

 白バイ貝は巻き貝の仲間で、主に日本海西部の水深180~500メートルの砂泥に生息。日本海で水揚げされるバイ貝の中でも隠岐の島近海産は最高級品として扱われ、刺し身は歯応えの中にも柔らかさを残し、独特の食感が持ち味だ。

 缶詰は70グラム入りで、しょうゆ、酒、みりんと砂糖で味付け。賞味期限は約3年。おつまみにもご飯のお供にも最適で、西郷ばいかご会の会長を務める福祐丸の山川哲社長(70)は「缶詰なので持って帰ることができる。いっぱい食べてほしい」と話す。

 隠岐の島近海が大半を占める県内の漁獲量は、新型コロナウイルス禍前の2019年までは年間300~400トンで推移したが、20年以降は250トンを下回る。北陸地方に出荷してきたが、温泉街の旅行客が滞ったことから引き合いが弱まったという。

 日持ちのする缶詰商品で新たな販路を見いだす考え。水産庁の離島漁業再生支援交付金を活用して1万個を作り、地元土産物店や空港での販売を予定する。価格は未定。問い合わせは販売者の道下隆行さん、電話080(8710)5035。

  (奥原祥平)