第三章 反旗(二十二)

 タクシーは車回しをゆっくり半周してユシマ葬祭の正面玄関に停車した。

 ドアが開き、真っ白な足袋に黒い鼻(はな)緒(お)の草(ぞう)履(り)が車内か...