日本時間の10日未明、5大会ぶりのサッカーワールドカップ(W杯)制覇を目指し準々決勝に臨んだブラジル代表(セレソン)に、ブラジル人が多く住む出雲市でも、サポーターが熱い声援を送った。PK戦の末に涙をのむ結果となり、奮闘をたたえつつ、4年後のサッカー王国復活を願った。
市内では約3500人のブラジル人が暮らす。圧倒的な力で勝ち上がり、期待が膨らむ中、同市今市町のブラジル料理店「キリンドー」に、前回準優勝のクロアチアとの4強入りを懸けた未明の試合を見ようとサポーターが集まった。
0-0で迎えた延長前半のアディショナルタイム、巧みなパスワークから、エースのネイマールが均衡を破った。カルリット・タンジさん(32)=出雲市大津朝倉3丁目=が「これがブラジルのサッカー」と両手を突き上げ、歓声に包まれた。
しかし、延長後半に同点とされ、相手の得意とするPK戦に突入。2人が外し2-4で敗れると、それぞれ頭を抱え、机に顔を伏せ、敗戦を受け止めた。
レアンドロ・ツカモトさん(29)=同市斐川町神氷=は今大会、日本代表とセレソンの試合時は欠かさず来店し声援を送ってきた。母国の戦いぶりを振り返り「ブラジルのサッカーを見せてくれた」とたたえながら、「この悔しさを4年後に生かしてほしい」と期待した。 (佐野翔一)