原子力規制委員会が、原発の60年を超える運転延長を認める新制度案をまとめた。議論は原発活用を目指す経済産業省と歩調を合わせて進み、実質3カ月弱のスピード決着となった。規制委発足から10年。東京電力福島第1原発事故の教訓「規制と推進の分離」は完全に形骸化し、岸田文雄首相が進める原発回帰の「両輪」へと変容した。

▼悲願の期間延長

 2020年7月、原発推進派の自民党議員...