戦後すぐの頃、多くの文学者が集まっていた東京・神田神保町の喫茶店兼酒場「らんぼお」。武田百合子はその店で働いていた。当時は鈴木姓だが、「美女ですからね、百合子さんに惚(ほ)れて通う者が多かったんです」と常連だった埴谷雄高が、村松友視の「...