岸田文雄首相は、自身の自民党総裁任期である2024年9月までの憲法改正実現に意欲を示す。国会では衆院憲法審査会の毎週開催がほぼ定着し、改憲論議が活発化しつつある。ただ与野党の隔たりは依然埋まらず、具体論が進展するかは不透明だ。

 2023年の憲法改正論議は、憲法への緊急事態条項追加を巡り各党の合意形成が進むかどうかが焦点になる。自民党は公明党や野党の一部とともに、緊急事態時の国会議員任期延長を中心に議論の進展を狙う。立憲民主党は、改憲手続きを定めた国民投票法にテレビCMやインターネット広告の規制を盛り込む議論を優先するよう主張し、自民主導の改憲に警戒を強める。

 衆院憲法審査会は22年の通常国会で、1国会として過去最多...