2022年の洋楽話題でうれしかったことの一つは、4月にボニー・レイット(Bonnie Raitt)が6年ぶりとなるアルバム「Just Like That …」を出したこと。そして、その内容がめちゃくちゃ良かったこと。デビューから半世紀、70歳を過ぎてシンガーそしてギタリストとして、こんなにかっこよく音楽をやっているのはすごいと思った。
1949年米国生まれ、71年デビューのブルース・ロックギタリストであり、シンガー・ソングライターである。
70~80年代はヒットに恵まれず、不遇の時代だったが、売れっ子プロデューサーのドン・ウォズを迎えた89年のアルバム「ニック・オブ・タイム(Nick Of Time)」が大ヒット。一気に音楽シーンの最前線に躍り出た。

引き続きドン・ウォズが手がけた「ラック・オブ・ザ・ドロー(Luck Of The Draw)」(91年)と「ロンギング・イン・ゼア・ハーツ(Longing In Their Hearts)」(94年)、これまた当時の売れっ子プロデューサーチーム、ミッチェル・フルーム&チャド・ブレイクのプロデュースによる「ファンダメンタル(Fundamental)」(98年)など優れた作品を生み、商業的にも成功を収めた。
2000年以降も数年に1枚のペースでアルバムを発表し続け、「Just Like That …」は16年の「ディグ・イン・ディープ(Dig In Deep)」以来の作品で、通算21作目になるとか。
冒頭を飾る「Made Up Mind」を聴くなり、変わらぬボニー・レイットの世界に引き込まれた。いぶし銀というか円熟というか盤石というか、気心知れたバンドの仲間たちと繰り広げる演奏がアルバム全体を通して心地よく響いた。ユーチューブの「Made Up Mind」オフィシャル・パフォーマンス・ビデオでスライドギターを演奏する姿を見てさらに感動。90年代の全盛期から30年を経て、こんな素晴らしい作品に出合えたことがありがたい。(洋)
<投稿募集中!>
海外のロック、ポップスについて読者の投稿も歓迎します。オールディーズから最新ヒットまで、大好きな歌やアーティストのこと、思い出のエピソードなどを自由にどうぞ。
>> 投稿はこちらから