今春、島根県西ノ島町で畜産を始める世良哲也さん(42)は「漠然と隠岐がいいなと思った。農業をしたくて来たという感じではなかった」と2年前を振り返る。神戸市出身で大学卒業後、営業職や生産管理の仕事をしてきた。

 〈上〉 医療人材「ぎりぎり」 見えぬ打開策 悩む現場

 40歳を前に「あと20~25年を会社で働くのは無理だな」と感じた。ふと祖母の出身地で、社会人になってからも夏休みのたびに訪れていた西ノ島町への移住を考えた。町内で仕事の選択肢を考えると「会社へ入るので...