酒かすを活用したバスオイルのボトルを手にPRする出雲商業高校の生徒たち=出雲市大津町、同校
酒かすを活用したバスオイルのボトルを手にPRする出雲商業高校の生徒たち=出雲市大津町、同校

 出雲商業高校(出雲市大津町)の3年生5人が課題研究で作ったバスオイルが好評だ。入浴時のリラックス効果とともに、原料に廃棄処分になる酒かすを活用するという意外性、話題性がその秘密。昨年12月に同校で売り出して以来、繰り返し買い求めるリピーターもいる。

 メンバーは商業科の4人、情報処理科の1人。商品開発は「酒かすは使い道が少なく、処理に困っている」という富士酒造(出雲市今市町)から聞いた「課題」が出発点だった。酒かすの保湿成分に着目し、肌が乾燥しやすい冬場のお風呂で使ってもらえるバスオイルにした。

 県産業技術センター(松江市北陵町)が酒かすエキスを抽出し、化粧品の生産などを手がけるカンダ技工(米子市河崎)が入浴後もショウガとハーブの一種レモングラスの香りが楽しめる製品に仕上げた。

 4回分の100ミリリットル入りで、1本1300円。昨年12月、生徒たちがさまざまな品の仕入れから販売までを手がける販売会「出商デパート」で並べて以来、取り扱う同校には市内外から引き合いがあり、23日までに143本を販売。

 課題解決のために「酒かすの可能性を幅広い世代に知ってほしい」との思いが実りつつあり、班長の奥原瑞希さん(18)は「日頃の疲れを癒やしてもらえたらうれしい」と話した。

 同校のほか、28日には出雲大社「勢溜(せいだまり)」(同市大社町杵築東)である出雲ウィークのイベントでも販売。問い合わせは同校、電話0853(21)0016。

(佐野翔一)