今春以降、新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが「5類」に引き下がることについて、島根県の丸山達也知事が26日の定例会見で、「究極的には死者が増える方向のことをやる」と述べ、感染拡大を招きかねないと警鐘を鳴らした。

 引き下げ後は、感染者の隔離や入院勧告がなくなる一方、政府は現時点で感染者数や死者数の増加への具体的な対策を明らかにしていない。丸山知事は「普通に考えて感染者が増え、死者も増える」と述べた上で「政府の偉い人たちが頭をひねり、そうならないための工夫を考えていると思うが、本当にそんなことが可能なのか」と疑問視した。

 引き下げに合わせて原則不要となるマスクの着用については「着けるのがおかしい訳ではない」と主張。「マスクを着けて感染を防ぎたい人の邪魔をしてはいけない。そんな権限は誰にもない」と強調し、必要に応じて県独自の要請も検討する考えを示した。

 (佐々木一全)