出雲市大社町宇龍の宇龍港で26日、恒例の和布刈(めかり)神事があった。港から50メートル離れた権現島にある熊野神社にワカメを供え、一年の豊漁や海の安全を祈った。
ウミネコが日御碕神社(出雲市大社町日御碕)の欄干にかけたワカメを、神に供えた故事にちなむ伝統行事で、旧暦1月5日にある。この日は波が穏やかで港から島まで漁船を連ねて「参道」とし、神職や住民代表が渡る「御渡海(ごとかい)」を4年ぶりに実施。上陸した神職が箱眼鏡で海中をのぞき、長柄の鎌で刈り取ったワカメを供えた。
神事の後は3年ぶりとなる寒中水泳があり、赤い下帯姿の若者7人が豊漁や家内安全を願って島から海に飛び込み、港まで泳いだ。5回目の参加という近くの会社員の浅津貴之さん(27)は「今年は特に水が冷たかったが、その分幸せに過ごせそう」と笑顔だった。
(佐野翔一)