古代出雲の魅力を広く発信しようと、島根県古代文化センター(松江市)がオンラインシンポジウム「壮大なる出雲の交流」をテーマに、識者の講演やパネルディスカッションを収録した動画をユーチューブチャンネルで公開を始めた。講演の合間に本物の古墳の内部に入るといった現地リポートも盛り込んでいる。
例年は東京で現地開催してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、本年度は初めてオンライン専用で講演を収録。古代の山陰の交通にスポットを当て、第一人者である森田喜久男・淑徳大教授の基調講演に加え、山陰両県の研究者の調査報告やパネルディスカッションを収めており、見やすいよう1本20分前後に分割し、計8本を公開した。
現地リポートでは、森田教授が「山陰と北陸の交流を結び付ける証拠」として、神門横穴墓群(出雲市)を紹介。一見、獣のすみかのような穴の内部にカメラを持って入り込み、その特徴を解説している。
制作に携わった県古代文化センターの橋本剛研究員は「古代出雲の多様な交流に思いをはせてもらいたい」と強調した。
(勝部浩文)