バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の島根スサノオマジックは11、12の両日、ホームの松江市総合体育館で、東地区2位のアルバルク東京と対戦し、厳しいディフェンスと勝負強い攻撃で連勝した。スサマジは8連勝で31勝7敗とし、西地区首位の座を守った。昨シーズンのチャンピオンシップ(CS)以来の対決で、激闘となった試合の勝因を<上>で、CSに向けた今後の展望を<下>で解説する。(ニュースセンターデスク・舟越幹洋)

スサノオマジックのホーム戦で、選手のプレーに歓声を上げる観客たち=松江市学園南1丁目、松江市総合体育館

 昨シーズンのCSでスサマジに敗れたA東京はコーチ陣を一新した。リトアニア代表監督を務めたヘッドコーチ、デイニアス・アドマイティスが指揮する。バスケットのスタイルはスサマジと似ている。厳しいディフェンスから速い攻撃を仕掛け、セットオフェンスになると、体の強さを生かしたスクリーンプレーや強力なセンター陣が攻撃してくる。センターを守ろうとすると、センターから外の選手にパスをさばき、日本代表の安藤周人が3点シュートを決めてくる。

 B1チームの中で、ここまで平均失点69.9と1位(島根は6位)。ディフェンス力の光るチームだ。

▽A東京は好チーム

 スサマジと対戦するまでのA東京の試合を見て、「隙がない」「センター陣がうまい、力強い」とため息が出た。このチームに勝ってほしいけど、勝てるのか、大変厳しい試合になると思った。いずれにしても小細工で勝てるほど、甘いものではなく、力と力、技と技、意地と意地がぶつかり合う「ガチンコ対決」になるのは間違いないと思った。

 この2連戦は11日の初戦に全ての要素が詰まっていた。今シーズンの力関係をはっきりさせるうえで、初戦に勝つかどうかが重要だった。

 試合は出だしから両チームとも気合が入った厳しい守り合いになった。スサマジはペリン・ビュフォードが手厚く守られてくるのを察知し、ビュフォードが攻撃を仕掛けながら速く他の選手にパスをさばいて、3点シュートにつなげた。コーナーからいいシュートが放たれるが、ゲームの序盤の緊張感からシュートが決まらない。

第1クオーター、島根のペリン・ビュフォードがシュートを放つ

 逆にA東京が少しずつチャンスをつかみ、第1クオーター残り2分44秒で6―13とリードされた。「うーん、厳しいなぁ」「A東京はスサマジの攻撃をよく研究してきている」と感じた。しかし、ここでけがから復帰したリード・トラビスがスサマジに勢いをもたらす。3点シュートを含む3連続得点で15―15と追いつく。最後もフリースローを得て16―15でリードして第2クオーターへ。
 

第1クオーター、島根のリード・トラビスがシュートを決める

 トラビスは先週の北海道戦から復帰したが、...