ジョークで会場の笑いを誘いながら盤上を解説する福崎文吾九段(左)と西川和宏六段(中央)=大田市三瓶町、国民宿舎さんべ荘
ジョークで会場の笑いを誘いながら盤上を解説する福崎文吾九段(左)と西川和宏六段(中央)=大田市三瓶町、国民宿舎さんべ荘

 将棋の藤井聡太王将=竜王・王位・叡王・棋聖との五冠=(20)に羽生善治九段(52)が挑む第72期王将戦7番勝負第5局は25日、大田市三瓶町の国民宿舎さんべ荘で始まった。激しい攻め合いから、互いに長考する場面もあり、羽生九段が48手目を封じて初日を終えた。

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 対戦成績2勝2敗のタイで迎え、勝てばタイトルに王手となる一戦で、藤井王将は初防衛、羽生九段は前人未到のタイトル100期が懸かる注目の対決。
 先手は藤井王将、後手は羽生九段で、互いに居飛車のまま指し進め、角道を開けた歩を取り合う横歩取りの戦型で始まった。2度の飛車交換と1度の角交換など序盤から激しい展開を見せた。羽生九段が歩を使った小技を連続して繰り出し、藤井王将は2時間の長考。桂を跳ねる強手を放つと、羽生九段も2時間21分長考した。戦いは激しさを増し、藤井王将が王手をかけたところで48手を封じて終えた。

 会場内の別室であった大盤解説会にはファン120人が集まり、立会人の福崎文吾九段らがユーモアを交えた関西弁で盤面を解説。副立会人の西川和宏六段は「羽生九段の応手がポイント。次の手を予想し楽しんでもらえたら」と話した。
 夢の対決に、大盤解説をはじめ、両雄が食べた「大田の大あなご」や三瓶そば、米粉のロールケーキやあんバターどら焼きなどのおやつにも注目が集まった。
 26日は午前9時に再開し、午後に勝敗が決まる見通し。   (坂上晴香)