将棋の藤井聡太王将=竜王・王位・叡王・棋聖との五冠=(20)に羽生善治九段(52)が挑む第72期王将戦7番勝負第5局が25、26の両日、大田市三瓶町の国民宿舎さんべ荘で行われた。対戦成績2勝2敗のタイで迎え、勝てばタイトルに王手となる。

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 王将戦は将棋の八大タイトル戦の一つ。異次元の強さを誇る藤井王将は初防衛、平成の第一人者・羽生九段は前人未到のタイトル100期が懸かる夢の新旧王者対決で、今シリーズは藤井王将が先勝し、その後は交互に白星を取り合っている。勝利を手にするのはどちらか、そして両雄が勝負メシに手をするのは何か、第5戦をドキュメントで追う。

<26日>

・午前9時 2日目の対局始まる。
 羽生九段が封じた48手目は△5三同玉。

対局に臨む藤井聡太王将(右)と羽生善治九段(提供:日本将棋連盟)
封じ手の△5三同玉を指す羽生善治九段(提供:日本将棋連盟)

 大盤解説会も同時刻に開始。午前10時半から出雲市出身の里見香奈女流五冠がスペシャルゲストとして解説に加わった。

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・午前10時半 午前のおやつの時間。藤井王将は「三瓶そばまんじゅうと桜餅」にアイスコーヒー、羽生九段は「焼き菓子アソート」とホットレモンティを選ぶ。

藤井王将の午前のおやつ。「三瓶そばまんじゅうと桜餅」(日高恵比須堂)にアイスコーヒー(提供:日本将棋連盟)
羽生九段は「焼き菓子アソート」(パティスリーサングリエ)とホットレモンティ(提供:日本将棋連盟)

・午後0時半 昼食休憩に入る。「勝負飯」は藤井王将が美郷町の地域ブランド「おおち山くじら(イノシシ)」を使ったおおち山くじら猪肉そば、羽生九段は三瓶産コシヒカリを使ったわさび飯を選ぶ。

藤井王将が昼食に選んだおおち山くじら猪肉そば(提供:日本将棋連盟)
羽生九段は三瓶産コシヒカリのわさび飯(提供:日本将棋連盟)

・午後1時半 対局再開。

・午後3時 午後のおやつの時間。藤井王将は菓子の注文はなく、飲み物の香木の森クラフトハーブソーダとアイスレモンティを、羽生九段は三瓶そばまんじゅうと桜餅、ホットコーヒーを注文。羽生九段は25日と同じく、午前に藤井王将が注文したおやつと同じものに興味を示した?

藤井王将が注文した香木の森クラフトハーブソーダとアイスレモンティ。菓子の注文はなかった(提供:日本将棋連盟)
羽生九段が注文した三瓶そばまんじゅうと桜餅(日高恵比須堂)、ホットコーヒー(提供:日本将棋連盟)

・午後6時11分 羽生九段が101手で投了し、藤井五冠が勝利。3勝2敗で防衛に王手
王将戦第5局は藤井聡太王将が勝利

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<25日>

・午前9時 対局始まる。

対局に臨む藤井聡太王将(右)と羽生善治九段(提供:日本将棋連盟)

・午前10時30分 午前のおやつの時間。藤井王将はあんバターどら焼き”さんべ山”とアイスコーヒー、羽生九段は大田産のユズを搾ったホワイトモンブランとホットコーヒーを選ぶ。

藤井王将がおやつに選んだ「あんバターどら焼き”さんべ山”(しまね風土菓ささ井屋)」(提供:日本将棋連盟)
羽生九段は大田産のユズを搾ったホワイトモンブラン(ガトー・サンマリノ)をおやつに選んだ(提供:日本将棋連盟)

・12時、大盤解説会が始まる。立会人が関西弁でボケを入れつつ午前中の流れを解説し、盛り上がる。
・12時30分、昼食休憩に入る。「勝負飯」は藤井王将が「大田の大あなご」を使ったアナゴ重、羽生九段は天ぷらがセットになった「そば三昧」を選ぶ。

藤井王将の昼食。「大田の大あなご」を使ったアナゴ重(提供:日本将棋連盟)
羽生九段は天ぷらとそばのセット(提供:日本将棋連盟)


・午後1時30分、対局再開

・午後2時39分 2時間かけて藤井王将が桂の駒を動かす。そこからずっと羽生九段も考えこんでいる。「この先は相当読まないと指せないよ」と立会人が意味深な発言(※どちらのことを言っているのかは不明)

・午後3時 午後のおやつ。藤井王将は「米粉ロールケーキ&藻塩クッキー」とアイスレモンティーを選ぶ。羽生九段は「あんバターどら焼き”さんべ山”」とホットコーヒー。午前のおやつの藤井王将が気になったか。

藤井王将の午後のおやつ。「米粉ロールケーキ&藻塩クッキー」とアイスレモンティー(提供:日本将棋連盟)
羽生九段は「あんバターどら焼き”さんべ山”」とホットコーヒー(提供:日本将棋連盟)

・午後6時7分、羽生九段が48手目を封じて1日目が終了。

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 初日の対局をどう見た? 将棋アマ初段 本紙デスク板垣の目

 

本紙デスク・板垣敏郎(将棋アマ初段)

 まだまだ弱いアマ初段が将棋で負け、相手と感想戦をしていた。ずっとそばで対局を見守ったアマ強豪が終局図のはるか前まで局面を戻させ尋ねた。

 「この局面。君はどう認識する? 序盤か中盤か終盤か」

 アマ初段は答えた。

 「まだ序盤かと」

 アマ強豪は笑って言った。

 「もう終盤だよ」

 「…」

 実際、アマ強豪がぱちぱちと2、3手示すと、...