ノリで「王」を表現し、地元産品をふんだんに使ったおにぎりセット=大田市三瓶町、ふくしま屋
ノリで「王」を表現し、地元産品をふんだんに使ったおにぎりセット=大田市三瓶町、ふくしま屋
アナゴカツの巻きずしや、棒ずしを使った定食=大田市大田町、平和亭
アナゴカツの巻きずしや、棒ずしを使った定食=大田市大田町、平和亭
ノリで「王」を表現し、地元産品をふんだんに使ったおにぎりセット=大田市三瓶町、ふくしま屋
アナゴカツの巻きずしや、棒ずしを使った定食=大田市大田町、平和亭

 藤井聡太王将(五冠)に羽生善治九段が挑む将棋界の夢の対局が、大田市三瓶町の国民宿舎さんべ荘で開かれるのを前に、地元飲食店が特別メニューを創作するなど開催ムードを盛り上げている。勝負飯の品書きの一つに予定される「大田の大あなご」を使い、日本中の将棋ファンの視線が集まる好機を逃すまいと特産品アピールに熱がこもる。 (曽田元気)

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 両雄が激突するのは25、26両日の王将戦7番勝負第5局。両対局者2勝2敗のタイで迎える。

 さんべ荘の近くで1年前に開店した弁当・総菜の店「ふくしま屋」では、店を切り盛りする福島文さん(59)が、ボリューム満点の三瓶米の王将おにぎりセットを考えた。

 のりで「王」と表現。おにぎり2個にアナゴの甘辛天ぷらと三瓶の放牧牛のしぐれ煮、漬物も加え500円で予約販売する。さんべ荘での大盤解説会は満員で参加できないファンもいるため、福島さんは「食で王将戦の雰囲気を感じてほしい」と話す。

 水産加工業の勝部商店(大田市五十猛町)は、自社近くの自動販売機や道の駅ごいせ仁摩で週末に販売する「超大あなごおむすび」の帯のデザインを、王将戦仕様にしてPRする。

 ふっくらしたアナゴと炊き込みご飯でおにぎりにした商品の値段は、道の駅で2個入り432円。勝部圭一社長(46)は勝負飯にアナゴが選ばれれば認知度が高まると期待し「大田に食べに来る人が増えればうれしい」と話す。

 アナゴをカツにした珍しいメニューを提供するのは平和亭(大田市大田町)。23~25日でアナゴカツ巻きずしや、かば焼きの棒ずしが入った980円の定食、テイクアウトメニューを出す計画だ。

 アナゴカツで「王将戦に勝つ」の験担ぎをしながら両対局者を応援し、田中伸哉社長(53)は「大田に素晴らしい食があると伝わってほしい」と願う。

 王将戦は将棋の八大タイトル戦の一つで、藤井王将は初防衛、羽生九段は前人未到のタイトル100期が懸かる。大田商工会議所の会員企業や主要施設では歓迎ポスターが貼られ、機運を高めている。