島根県隠岐の島町主催の第16回隠岐の島ウルトラマラソン(6月18日開催)のランナー募集が振るわず、町などでつくる実行委員会が3月6日の締め切りを20日に延長した。新型コロナウイルスの影響で全国各地の大会で主催者がランナー集めに苦戦。実行委は隠岐独特の人情あふれる応援をアピールし、リピーターに参加を呼びかける。
大会は100キロと50キロのコースがあり島内を駆け巡る。2020、21年は中止で、22年は定員(1200人)を減らし900人で開催。今大会はコロナ禍前と同じ定員に戻し2月1日にインターネットで募集を始めた。以前は締め切り前に定員に達したが7日時点で応募941人と伸び悩む。
実行委によると、多い時は約300人が参加した町内ランナーの応募が減ったほか、県外勢もコロナ禍前の勢いを欠くという。町内は医療・福祉関係の仕事の従事者が敬遠し、県外は各地の大会参加費が値上げされ、出場を絞る傾向があるとみている。
過去10年の大会で8割を超えた完走率は22年、69・29%に落ち込み、ウルトラマラソンに耐えうるランナーが減った可能性もある。
隠岐の島ウルトラマラソンは公設の給水所のほかにも、町民が自主的に飲食物や酒を提供する場を設け、沿道の町民がリピーターの名前を覚えるといった熱心な応援が特徴。実行委の鳥井登事務局長は「応援しようとみんな待っている。ぜひ隠岐の人に会いに来てほしい」と話している。
(鎌田剛)