カーテンコールで、三刀屋高掛合分校メンバーを紹介する曽田昇吾さん(中央)=松江市殿町、県民会館中ホール
カーテンコールで、三刀屋高掛合分校メンバーを紹介する曽田昇吾さん(中央)=松江市殿町、県民会館中ホール

 三刀屋高校掛合分校の演劇同好会と松江工業高校演劇部が22日夜、松江市殿町の島根県民会館で「卒業式」と題し合同公演した。掛合分校の同好会メンバーの活動を追ったドキュメンタリー映画「走れ!走れ走れメロス」も上映され、新型コロナウイルス禍で制約される中でも演劇を通じ成長する姿を、来場者264人の前で披露した。(鹿島波子)

 走れ!走れ走れメロスは本年度、全国五つの映画祭で次々に入賞、入選した。この日の上映では途中、映像が途切れるハプニングもあったが、撮影当時の顧問だった亀尾佳宏教諭(49)=松江工業高=が「これも卒業式の一環として温かく見てほしい」と場を和ませた。

 松江工業高の3年生3人が、太宰治原作で手紙を題材にした姉妹の愛情物語「葉桜と魔笛」を好演した後、掛合分校の3年生3人がドキュメンタリー映画の題材となった演劇の「走れ!走れ走れメロス」で迫真の演技。劇の最終盤、役から解放された3人が語らう場面で「10年後に県民会館で走れメロスをやります」「こいつらとまた演劇したい」と叫び、客席は大きな拍手に沸いた。

 演劇好きで、母親とともに鑑賞した松江市内の高校2年小山誠和さん(17)は、同世代の活躍に「刺激をもらい自分も演劇を始めたいと思った」と話した。

 ドキュメンタリー映画は東京・下北沢トリウッドで31日まで公開している。