完成した種子選穀センターの施設を見学する関係者=松江市宍道町佐々布
完成した種子選穀センターの施設を見学する関係者=松江市宍道町佐々布

 水稲や大麦の種子を選別する、JAしまねの新しい種子選穀センターが松江市宍道町佐々布に完成し、19日に現地で竣工(しゅんこう)式があった。不良種子を取り除く最新の選別機を導入し、県内農家に供給する種子の品質安定化を図る。6月に稼働を始める。

 旧センターは1980年から稼働し、設備が老朽化していたため、敷地内で新築した。従来は同JA斐川地区本部にある施設で作業していた大麦の種子選別も新センターに移管する。

 施設は鉄骨平屋約1900平方メートルで、選穀棟や低温保管棟を備える。導入した選別機は、フルカラーカメラと近赤外カメラによって高い精度で傷んだ種子やごみなどの異物を判別し、除去できる。旧センターの選別は機械と、一部は目視で行っていたが、種もみに「ひげ」が残るなどのクレームもあり、改善につなげる。荷受けから乾燥、精選、包装まで全自動のラインで、作業も効率化する。

 竣工式でJAしまねの石川寿樹組合長は「種子を安心して供給できる体制が整った」とあいさつ。参加したJAや行政の関係者約30人が、完成した施設を見学した。(木幡晋介)