岸田文雄内閣では、昨年秋から閣僚辞任が相次いだ。いずれも事実上の更迭だと報道されている。首相には、閣僚を任意に罷免する権限がある(憲法68条2項)。この権限を背景に辞任を迫ったということであろう。

 閣僚が辞任すると首相の「任命責任」が問われる。首相は憲法68条1項に基づいて「国務大臣を任命する」。辞任を迫らざるを得ない人物を任命した首相の責任はどうなるの...