まだ投票権を持たない鳥取市内の高校生が統一地方選投開票日の4月9日、子どもたちに実際の候補者の中から一人を選んでもらう模擬投票「とっとりこども選挙」を企画する。未来の有権者に選挙を身近に感じてもらう試みだ。
こども選挙は昨秋に神奈川県茅ケ崎市で始まった。鳥取市にも広げようと、クラーク記念国際高校連携校鳥取キャンパス(鳥取市湖山町西2丁目)の有志でつくる実行委員会が2月から準備してきた。
投票箱とポスターを作り放課後児童クラブなど4カ所に投票所も確保。投票に来てもらおうと、選挙について出前授業で学べる機会も設けた。1年生で実行委員の倉見花菜さん(16)は「子どもに分かりやすく説明するために民主主義の概念を調べた。自分の勉強にもなった」と話す。
出前授業は28日、投票所になる鳥取市内の学童保育施設など2カ所であった。児童ら計約60人を前に、倉見さんら実行委員が「選挙とは何か」について説明。鳥取県や鳥取市の長所短所を踏まえ地域を変えるには物やお金、新しいルールが必要だと述べた。
その上で「ルールを作るには誰の気持ちを尊重したらいいのかな。偉い人? 金持ちの人?」と問いかけると、児童たちは「違う」「自分」などと答えた。民意をつかみ、尊重するため投票で代表者を決めるのが選挙だと締めくくり、9日のこども選挙を案内した。
参加した市立若葉台小学校4年の明間礼央君(10)は「みんなが決めた人が代表にふさわしいと思う。自分も投票したい」と話した。2年生で実行委員長の山田和輝さん(17)は「政治は遠いものと思いがちだが、投票すれば身近に感じるはず。気軽に来てほしい」と呼びかけた。
模擬投票は午前10時~午後3時、トスク本店(鳥取市行徳1丁目)などでできる。鳥取市内在住の小学1年~18歳未満が対象で、今回の知事選と県議選鳥取市選挙区の候補者から各1人を選ぶ。(小引久実)













