旧JR三江線の石見川本駅(島根県川本町川本)で20日、江津市在住カップルが結婚式の前撮りをした。運転士の新郎にちなんだ場所での撮影を希望する新婦の依頼に、地元の観光協会が応えて実現。協会によると、2018年4月の三江線廃線後、同駅が前撮りに使われるのは初めて。
カップルはJR西日本米子支社の運転士、持田考基さん(26)と公務員の持田光さん(25)。昨年12月に結婚し、8月に式を控えている。
光さんは考基さんの仕事にふさわしい撮影スポットを検索。県内でロケ地撮影を受け入れる「島根フィルムコミッションネットワーク」のホームページで石見川本駅が使えるのを知り、島根県川本町観光協会に申し込んだ。
廃線に伴い、駅舎や線路は町が所有。活用する場合の窓口は協会となっている。
20日は協会が、2人の名前入りヘッドマークを取り付けたレールバイクを用意。制服とウエディングドレスを着た2人が同バイクに乗ったり、線路上を歩いたりして撮影に臨んだ。
光さんは「とても楽しかった」と話し、考基さんは「貴重な体験で一生の思い出になった」と喜んだ。
撮影を担当した大田市鳥井町のカメラマン宮脇洸太さん(32)は「線路上で撮影できる珍しい場所だ」と評価した。
協会の大久保一則事務局次長(34)は「前撮りという新たな活用法を教えてもらった。撮影に使ってもらえるよう積極的にPRしたい」と話した。(佐伯学)