手がけた作品を紹介する吉川紀子さん=島根県奥出雲町佐白、長者の湯
手がけた作品を紹介する吉川紀子さん=島根県奥出雲町佐白、長者の湯

 【奥出雲】パッチワークグループ「綿恋(めんこい)くらぶ」最年長の吉川紀子さん(96)による作品展が島根県奥出雲町佐白の佐白温泉長者の湯で開かれている。30年に及ぶ力作約70点が来場者を魅了する。

 奥出雲町内で活動する綿恋くらぶは1992年、結成。吉川さんは創設時から参加し、収集していた着物や端切れ、古布を活用して作品を手がける。

 タペストリー「海上の嵐」は荒れる海の様子を藍染めの布で表現した。布でバラの花をかたどったモチーフが特徴のベストや座布団も目を引く。ヨモギやススキなどで染めたストールや機織りした布を使ったバッグも並ぶ。

 吉川さんは母親や姉、自身の着物を用いて、着用した時代をテーマにした作品「女の歴史」を前に「懐かしいなあ。ステッチが大変だった」と振り返った。

 14日まで。期間中の休館日は9日。

 (狩野樹理)