一枚の皿にご飯とカツをのせ、デミグラスソースをかけた「カツライス」を松江のご当地グルメとして広めようと、まつえ観光創造研究所(まつえ若武者隊)がフリーペーパーを作り、宣伝を始めた。歴史や魅力、メニューに掲げる23店を紹介し、市民や観光客の食欲を刺激する。(坂上晴香)
カツライスは大阪で生まれ、1年後の1932年、神戸で修業した店主が開いた松江市片原町の「西洋軒」が島根で初めて提供したという。そんな経緯から松江はカツライスが広まった全国でも数少ない地域となり「松江カツライス」の呼び名も生まれた。
ただ、近年は店主の高齢化などで存続が心配される店もあり、若い世代や市外にアピールし、カツライス文化を盛り上げることにした。
フリーペーパーには、若武者隊の本間亀二郎さんや松江カツライス研究会の河合賢治代表が登場し、「サクサクのカツにジュワっと濃厚なデミグラスソース。サクジュワの世界へようこそ!」「残していきたい松江のソウルフード」などとカツライスへの愛を語る。
カツライスを提供する飲食店「三英傑」として西洋軒と、まがたま食堂(玉湯町湯町)、カメノ食堂(寺町)を選ぶなど23店を紹介した。各店のカツライス写真が掲載され、店巡りを促す仕立てになっている。
まつえ観光創造研究所の森脇良和代表(52)は「観光客から松江のご当地グルメを聞かれたときに、カツライスと市民の方に言ってもらえるよう認知度を広めたい」と話した。
この先、「勝つ」とかけて受験生を応援する企画などを検討している。
フリーペーパーはA5判。5千部印刷し、ぶらっと松江観光案内所(殿町)や掲載店舗に置いている。