紫雲丸衝突事故の記念碑の前で手を合わせる児童ら=松江市西川津町、川津小学校
紫雲丸衝突事故の記念碑の前で手を合わせる児童ら=松江市西川津町、川津小学校

 修学旅行中だった松江市立川津小学校(松江市西川津町)の児童ら25人が犠牲になった紫雲丸衝突事故から68年を迎えた11日、同校で在校児童らが記念碑に手を合わせ、犠牲者を追悼した。生存者から体験談を聞き、命の大切さを学んだ。

 事故は1955年5月11日に発生した。瀬戸内海の連絡船「紫雲丸」は濃霧に視界を奪われ貨物船と衝突し沈没。修学旅行中だった川津小の当時6年の児童や保護者、教員計25人を含む168人が亡くなった。

 節目となった11日朝、在校児童は登校した直後、校内にある記念碑の前で花を手向け、目を閉じ、手を合わせた。

 5、6年生の児童は生存者の会の野津幸次さん(79)=松江市西浜佐陀町=らの体験談を聞いた。野津さんは海に投げ出された時の生々しい様子を説明。「海の中で女性の髪が足にまとわりついてもがいた。油が流れて海は真っ黒だった」と話し、児童らに事故の悲劇を学んで伝えてほしいと願った。

 6年の安部希美さん(11)は「命の大切さを学んだ。いざという時にパニックにならないよう勉強したい」と話した。 (黒崎真依)