読者の皆さんから、身近なテーマについて意見を募り、山陰中央新報とSデジ(デジタル版)に掲載する「さんコメ!」。「PTA」にたくさんの投稿をありがとうございました。紙面では紹介しきれなかった投稿も含め、いただいた全ての投稿と、記者の雑感を掲載していますので、お楽しみください。(かっこ内はペンネーム。内容は一部要約・編集しています)
1、私の娘は小学生、中学生の3人の子を持つシングルマザー。仕事はもちろん、子どもの塾や部活の送迎、地区の役員にPTAの役員もこなします。かなりハードでストレス性の病気にもなったことがあります。PTAの役員決めの時、候補に挙がったのは2人。もう片方の方は、仕事はせず家にいて、ひとりっ子の子の面倒を見ているらしいですが、役員になるのが嫌なのか、何かと理由をつけて拒否。仕方なく娘が受けることに。何だかモヤッとする思いがありましたが、泣きごとを絶対に言わない娘は1年間、頑張りました。親になれば自分のことより子どもを思って頑張らなきゃならないこともあります。それによって人として得るものもたくさんあると思いますよ。

2、全国では、PTAを廃止している学校もあると聞きます。代行サービスにお願いしているのだとか。PTAを廃止したその後の学校と保護者との関係、行政との関係、それぞれの在り方を知りたいので取材してほしいです。そもそも学校は何かとボランティアとして保護者を使いすぎなところがあります。教育機関という大義名分の下、何でもボランティア扱いされ、参加することに意義があるとか子どものためとか言って、それで何の見返りもない、要求しないのが美徳とした思想が根強く、さも当たり前のようにボランティア労働を要求し過ぎ。ボランティアという名の搾取ではないかと思います。教育現場で金銭を要求するのか?と言われそうですが、先生方もボランティアでお金を頂いていないのであれば話は別です。お金が欲しいわけではないですが、それなりにお互いがやる気を起こして率先して取り組めるようになるには何かしらの報酬やメリットがないとこの問題は解決できないように感じてます。そもそも日本の学校の教職員の業務の負担が重すぎる。精神的にも肉体的にも追い詰められている感じもします。こんな追い詰められた労働環境の中で健やかな子どもの将来を育めるのでしょうか。(マサカリ担いだ主婦、40代)
3、任意団体ですが、なぜか強制されているのが時代に逆行しているとも思います。最近はグループラインなどで保護者同士がつながりがありますが、一方で心の負担になっていることも聞きます。ママ友に入れない人もいるんです。PTAに積極的な人ばかりではなく、しり込みする人もあることをお互いにわかりあうことが大切だろうなと思っています。
4、子どもが小学生の時にPTAの役員を6年間で1回はしないといけないという暗黙のルールがありました。高学年になるといろいろと行事があり大変だからそれまでにやった方がいいと言われていたものです。やったおかげで知り合いやママ友もできてママ友飲み会やカラオケに行ったりして、楽しかった思い出があります。(モンブラン、59歳)
5、たまたま今年、中学3年になり、役員幹部の推薦を引き受けました。人の考えはいろいろですが、私を推薦、私を求められていると、ありがたいと思いました。PTAとは子どもたちのため? いやいや、私たち「親」のためのものとも思います。同じ世代の子どもを持つ親としての悩みや、感じていること、意見交換の場、その共有の場所になるのではとも思います。ただ、活動は仕事の合間のボランティアになるので、その活動の向き合い方一つで、結果は変わるとも思いますが、その先には必ずや「人」としての成長が、宝物が、絆ができると信じています。もしかしたらこの考えは私だけかもしれません。かなり前向きかもしれません。ただ、この地球に人として生まれい出、ご縁ある方と結婚、子どもを授かり、たまたま住んでいる地域の学校に通う子どもがいる「親」のコミュニケーションの場所。全て「たまたま」いや、必然かもしれません。親にさせてもらって15年になろうとしている私です。コロナも終息しだした今年は、今までの活動のやり方はもちろん、感じ方も全然違う物になると。来年の3月卒業式には、よい活動だったねと、PTAの皆さんと「親」として「人」としてやりきった!とたたえ合いたいと思います。(mikitree)

6、わが家の子どもたちが小学校中学校時のPTA役員は、クラス役員との兼任がありました。そうすると、新学期最初の参観日後はクラス説明・懇談会があり、その中に役員決めがありました。担任の先生が進行役なのですが、案の定、参加した保護者の皆さんは下を向いたままでなかなか決められません。担任の先生を見かねた私は、早く帰りたいこともあり、開口一番「私も役員をしますので、ここの皆さんと一緒に役員をやりませんか?!」と。すると、全員賛同してくださり、すんなり決まりました。担任の先生も安堵(あんど)され、その後の活動では当時は今のようにLINEなどがなかったので、一括メールを送る方法でやり切りました。(雨降り母さん、50代)
7、PTAが専業主婦を基準につくられていたものとは、知りませんでした。昨年、役員をしましたが、主人が主の役員でしたが、平日夕の話し合いは私、行事は主人、と分担して行いました。コロナ禍で、行事の縮小のため?役員は立候補が多くて、抽選に。抽選は、子どもがして、有無を言わせず。子どもの学校ではこの手法、いろいろなところに取り入れておられます。でも、誰もが「納得」ですよね。以前、小学校に勤めていたとき、大規模校でしたが、PTAがなく、「有志」で成り立っていましたが、活発で学校自体の雰囲気も良かったです。「有志」で可能なら、それがベストかもしれません。在学中、一人1回と言われている役員ですが、少子化で2回回ってくるとも限らず…。これからは、役に限らず、一人一人できることをできる量、分担するしかない。子どもの手本を示すべく、親が率先して動くようにしたいと思います。(やきとりぴぃ)
8、PTA役員を2年間しています。PTAも1人でやるわけではなく、人がいます。なので、一つの出会いだと思っています。その出会いを楽しめれば、人生の一つのスパイスになるのではないでしょうか。(保育士父ちゃん ゆう、39歳)
9、子どもの在学中の間は、年度末には必ず訪れるPTA役員問題は付きものですが、どの学校、クラスでもさまざまなことが起きがちです。多くは何かしらの理由を挙げて、役員を免れようとされ、仕事が忙しい、下の子どもが、介護が…必死になって説明(言い訳)されます。もちろん誰しもがおのおのの事情はあるのが当然ですが、役員を務めたおかげで、日頃はあいさつ程度の方と話す機会があったり、先生のお人柄に触れたり、あまり目にすることのない学校のことが分かることもあります。私自身、自ら立候補してまではありませんでしたが、幼稚園、小学校、中学校でも役員をさせていただき、たくさんのことを得ることができました。お引き受けする際は、不安ばかりですが、いざ始めてみると、楽しいこと、学ぶことが多い一年になりました。わが子がお世話になっている場ですもの、どんなものか知りたいじゃないですか!! 知らないことには良いところも、改善点も見えません。経験者としては、恐れることなくチャレンジしてみてください!! 必ず何かを得られますよ。とお伝えしたいです。(240、50代)
10、もう子どもは成人しましたがPTAは面倒で嫌でした。皆さん仕事してるので集まるのが大変。夜に会議したりしてました。部活のPTAとかもあり、先生何とかしてよと思ったりしましたね。会費未納の人や絶対出て来ない人もいました。会費を徴収して外注するのがよいと思います。親も先生も楽ですしね。楽しく活動してる人はあまり見かけませんでした。(カルダモン、50代)

11、保育園の保護者会長を引き受けました。普段から先生方にはお世話になっているので、少しでも力になりたいです。また、自分の父親がPTAや野球部の保護者会で積極的に活動していたため、父への恩返しの気持ちもあります。最近は「面倒だから」とPTA活動を敬遠する傾向があると聞きます。自分たちも子どもの時にお世話になっていたはずなのに、平気で自分の都合を優先する姿勢はいかがでしょうか。(どうする円安)
12、私は役員をやることに前向きですし、むしろ”やりたい派”です。昨年度はコロナ禍ではありますがPTA役員として、いろいろなことを企画し、実行しました。周りの目を気にせず、自分がやりたいと思えば堂々と声を出せばいいし、なにより子どもたちのため!! それを思えば負担に感じることはあまりない気がします。また、保護者として学校に関われる年数も限られていますから、地域の方や、保護者同士のつながりを大切にしながら、楽しみながらやっていきたいと常に思っています。負担に感じる方は、役員を丁重に断るなどすればいいと思います。イヤイヤながらやり続けられるのは見ていて迷惑だとさえ感じます(毒舌で申し訳ないのですが)。生徒数が少ない学校なので、これから先のPTAの在り方などいろいろと気になりますが、役員をすることで仲間や友達ができる、そんな感覚でやれたらいいと思います。(大長今、40代)
13、幼稚園、小、中と3人の子どもたちそれぞれの役員をしました。初めて役員になった時に保護者投票で、まだ面識もないのになぜ選ばれたか先輩役員さんにきいたらあ行の人が選ばれやすいとのことで、役員の姓をみたら、あおき、いけだ、うえだ、えすみ、おかだ、でビックリしました。分からないなりに先輩役員さんや先生方に教えてもらって、学ぶこともあり、良い経験をさせてもらったと思っています。低姿勢でよろしくお願いしますでやってると、みなさん協力してくださいました。わが子が学ぶところでの、親の学びやお世話する姿は大切だと思いました。(かわらなでしこ、60代)
14、高3息子と中2娘の母です。PTAの役員をして良かったと思うことは、(1)仕事以外の社会貢献ができたこと(2)先生と親しくなり問題が解決できたこと(3)他のお父さんお母さんと仲良く話ができたことです。仕事や介護が重なったときもあるけど、役員をさせてくれる家族や休みをくれる職場に感謝です!(やっこ、49歳)
PTA 業務請け負う企業紹介

PTA業務は多岐にわたる。役員を敬遠する人は珍しくない。保護者の負担を減らすため、業務の一部を任せたいPTAと、引き受ける企業とをつなぐマッチングサイト「PTA’S(ピータス)」がある。
合同会社さかせる(川崎市)が運営し、運動会や入学・卒業式といった行事で必要になる会場の清掃や警備、資料の印刷・封入などの作業を請け負う企業を紹介する。個人情報の扱いや任意加入に関する疑問に答える記事と書類のひな型、役員の体験談なども掲載。PTA活動を総合的にサポートしている。
無料でサービスは利用でき、登録すればひな型のダウンロードなどもできる。5月31日時点で、鳥取県を含む44都道府県の1205PTAが登録しているが、島根県内での登録はまだない。
増島佐和子代表はPTA業務の外注を「お弁当に冷凍食品を詰める後ろめたさに似ている」と表現した上で「効率化は悪いことではない。その分、子どもとの時間を増やせる」と指摘する。さらに「親が嫌そうにしていたら子に伝わる。本来は子どもたちのための活動。せっかくなら前向きに楽しくやるために、ピータスを活用してほしい」と呼びかけている。
問い合わせはピータス、メールinfo@ptas.site
記者雑感
わが子は保育園児で、PTA活動はまだまだ先だと思っていましたが、保護者会の役員を務めることになりました。入園時は新型コロナウイルス禍で他の保護者と接する機会がほとんどなかった分、親しくなるチャンスだと前向きに捉えています。子どもたちや先生方のため、楽しみながら頑張りたいです。
ただ、投稿にもあったように、仕事や家庭の事情から、誰もが積極的に取り組めるわけではありません。今回の取材を通して、役員の業務を見直したり、可能であれば外注したり、負担を減らす方法があると知りました。そもそも必要なのかという議論もあると思います。地域や時代に合った運用が求められていると、改めて感じました。(担当記者)
次回テーマ 「防災」
次回のテーマは「防災」です。最近、地震が相次いで発生しています。山陰地方が梅雨入りし、水害も気になる時季になりました。みなさんは災害に備え、家族で避難場所を確認し合ったり、防災グッズを用意したりしていますか? 防災のために、家庭で心がけていることや大切だと思うことを教えてください。
コメントをLINEで募ります。匿名でかまいませんが、できるだけ年齢(年代)、ペンネームを書いてください。7月2日に掲載します。