つどいへの参加を呼び掛ける小栗裕紀さん(左)ら=松江市内
つどいへの参加を呼び掛ける小栗裕紀さん(左)ら=松江市内

 滑らかに話せない「吃音(きつおん)」の当事者が、島根県で悩みを共有する場づくりを進めている。県内には相談を受けられる場が少なく、当事者が孤立しかねない環境だった。吃音が影響し、自信が持てなかった安来市在住の会社員小栗裕紀さん(36)は、同じ悩みを抱える仲間との交流で救われた経験から、自助グループの島根支部設立を目指す。30日には松江市内で「吃音のつどい」を開く。
 出雲医療看護専門学校の言語聴覚士、糸賀亜美さん(43)によると、吃音は発話障害で「お、お、おはよう」のように繰り返す症状のほか「おーーはよう」のように延ばす症状、声が出ない症状がある。
 幼児期に5~8%、学齢期に1%の人が症状を持ち、7~8割は自然に治るが、決め手となる治療法はない。会話への不安から他人と関わることが苦痛になる人が多い。県内では治療を受けられる医療機関が少なく、支援活動も乏しい。
 30日のつどいは、全国33都道府県に加盟団体があるNPO法人全国言友会連絡協議会が主催者となり、支援する。これまでも2019年から年3回程度、県内各地でつどいを開き、当事者や家族、糸賀さんがスタッフとして参加し、独立を目標に回を重ねてきた。
 小栗さんは「子どもの頃は順番に教科書を読む国語の授業が苦痛だった。長年、同じ仲間を探していた」という。つどいの存在は会員制交流サイト(SNS)を見て偶然知り、昨年12月に松江で参加。「みんなの前で発表するのが信じられなかったが、同じ吃音の方が堂々と話す姿に感動した。自分もこうなりたい」と強く思ったという。
 今回はスタッフとして参加。悩みを抱える人に一歩踏み出すよう呼び掛ける。
 つどいは午後1時半から松江市東津田町のいきいきプラザで。小栗さんら当事者2人が「吃音と仕事」をテーマに話すほか、フリートークの相談コーナーを設ける。参加無料。オンラインでも参加できる。申し込みはQRコードから。
(森みずき)