ここ数年は、夏前から下駄(げた)を日常的にはいている。木が汗を吸うのか、通気性がよく、足裏が心地よくてやめられない。これまで、インターネット通販で購入していたが、松江市内に1軒だけ下駄店があることを知り、ならば地元で買おうと足を運んだ。
竪町にある和装履物専門の「中島履物店」。店主は米寿を迎えるという「お母さん」だ。3畳あるかないかの小さな店は戦後に義母が開き、1957(昭和32)年に嫁いだお母さんが引き継いだ。竪町だけでも3軒あったという下駄店だが、「松江で1軒だけになるなんて思ってもみなかった」と話す。出雲市、米子市にも専門店は、もうないという。
店のたたずまいはタイムスリップしたか、...