JR波子駅の前で構想を話し合う調整役の男性(右)と江津市職員=江津市波子町
JR波子駅の前で構想を話し合う調整役の男性(右)と江津市職員=江津市波子町

 無人駅となっているJR山陰線の波子駅(江津市波子町)について、駅舎を管理する江津市が駅の有効活用事業に乗り出す。駅舎内での宿泊体験などを企画し、鉄道愛好者や家族連れを呼び込む拠点の一つにする。
     
 6月16日開会の定例市議会に関連予算案1千万円を提出する。

 波子駅は、水族館アクアス(浜田市、江津市)の最寄り駅で、夏には近くの波子海水浴場に多くの親子連れらが利用する。乗降客数の減少を受け、2022年4月に無人駅となった。

 計画によると、昭和40年代から平成初期を懐かしむ「レトロ」がコンセプト。駅舎内での宿泊、制服の着用、線路切り替え模擬体験といったメニューを設け、鉄道愛好者や家族連れにアプローチする。

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 中村中市長は8日の定例会見で「波子駅周辺は人を呼び込める可能性が高い地域。積極的な取り組みにしたい」と狙いを示した。

 江津市は同日、同事業や子育て関連事業費を盛り込む、6月定例市議会に提出する総額7600万円の23年度一般会計補正予算案など18議案を発表。補正後の一般会計予算総額は、前年同期比0・7%増の159億9600万円となる。

 定例市議会の会期は7月3日までの18日間。一般質問は6月22、23の両日。   (村上栄太郎)