田植えばやしに合わせて苗を植える参加者=江津市跡市町
田植えばやしに合わせて苗を植える参加者=江津市跡市町

 【江津】伝統行事の花田植えが11日、江津市跡市地区の水田で4年ぶりにあり、にぎやかな田植えばやしに合わせて、かすりの着物に身を包んだ早乙女が苗を植えた。

 住民や近くの保育園に通う園児、市内外の希望者ら30人が早乙女に。おそろいの衣装の男性たちとともに旧跡市小学校そばの水田に入った。横一列で泥だらけになりながら、地元の跡市田植えばやし保存会メンバーらの太鼓や笛の音に乗って、もち米の苗を丁寧に植えていった。

 参加した江津市嘉久志町の高角小3年、松田かりんさん(9)は「田んぼの中を進むのは大変だったけれど楽しかった」と笑顔だった。

 跡市地区の花田植えは、新型コロナウイルス禍で2020年から3年連続で中止。保存会の島田博会長(65)は「小規模でも継続することが地域の力になる。伝統文化を守っていきたい」と話した。住民団体・跡市地区まちづくり協議会で管理し、9月下旬に刈り取る。

     (村上栄太郎)