物価高の中でガス代の上昇傾向が続いている。風呂や調理で使うガスは必需品で家計への影響は避けられない。国は負担緩和策を打ち出したが、直接支援の対象は都市ガス。山陰両県ではLPガスの使用世帯が大半を占めているが、支援はあるのだろうか。身近に取り組める節約術もあれば知りたいところだ。早速調べてみた(Sデジ編集部・鹿島波子)
 

2年間で1000円以上の値上がり


 島根県LPガス協会によると、LPガスを利用しているのは事業所を含めて約18万件。都市ガスは松江市、出雲市、浜田市の一部で約2万5000件しかなく、オール電化住宅を含む全件数の中で、LPガス利用は6割以上だ。鳥取も都市ガスは鳥取市、米子市の一部のみでLPガス利用が6割を占める。

 一般社団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター(東京都)によると、1世帯の平均使用量である10㎥あたりのLPガスの平均販売価格は、直近の2023年4月で島根9882円、鳥取9759円。2年前の2021年4月と比べて、それぞれ1363円、1265円値上がりした。LPガスの原料はもともと円安で高く推移していたが、2022年2月に起きたロシアのウクライナ侵攻を契機にさらに上昇傾向が強まった。今後について、島根県LPガス協会の石橋明専務理事は「仕入れ値が上がっているのが原因だが、この先は高値で安定するのではないか」とした。

LPガス平均販売価格の推移。上が島根県、下が鳥取県(データ引用元:エネ研・石油情報センター)

 国はガス価格の激変緩和対策として、都市ガスには2月検針分から8.5カ月分、1㎥/月あたり30円の値引きを実施しており、ひと月で一般家庭標準の20㎥を使った場合、月600円の値引きとなる。一方、LPガスは各都道府県の地方創生臨時交付金の枠で対応することになっている。島根、鳥取両県は6月定例議会に提出した補正予算案に盛り込んだ。それによると、島根県は、定額支援として月...