【出雲】出雲市平田町の平田本陣記念館で企画展「南画の愉しみ」が開かれ、水墨画や山水画の掛け軸やびょうぶ28点を来場者がじっくりと鑑賞している。25日まで。
南画は江戸時代に中国から文人画が伝わったことをきっかけに、日本人の画家が作品を手本にして描いたもの。
出雲地方とゆかりが深い南画や木佐家に伝わる唐絵の作品を展示した。南画「消夏三友図」(縦98センチ、横40センチ)はクチナシとハス、ランの花を配し、ハスの花は輪郭を描かず、花びらの柔らかいふっくらとした様子を表現している。
江戸時代に松江藩主は木佐家を本陣宿として使用した。藩主が出発後、座敷飾りを一般に披露し、藩主の生活ぶりに触れる「跡(あと)見(み)」の文化があった。展示では中国・洞庭湖周辺の山の風景を描いた唐絵(縦1メートル60センチ、横97・5センチ)の掛け軸と本膳を並べ、本陣の雰囲気を再現した。
五味朋子学芸員(34)は「南画と唐絵はいずれもこの地域で大事にされてきた作品。ぜひ見てほしい」と呼びかけた。
入館料は大人600円、高校生以下無料。火曜休館。
(藤原康平)












