■短歌■ 寺井 淳選

セピア色おしゃれな写真は中学の少年少女傘寿になりて      松 江 森脇よし子

  【評】少年少女はいつの時代も華やいでいる。確かにそういう時代が自分にもあった。 傘寿になってもその華やぎは私の一部だ、という誇りを読みたい。

彼岸の日一人カラオケ歌うのは卒業写真蛍の光          江 津 大岩 郁夫

  【評】カラオケで選ぶ歌は、本棚の本と同じように、その人の人生を垣間見させてく れる。「卒業写真」「蛍の光」の取り合わせにも人生の機微が...