なんという時代だろうか! 作家で詩人の辺見庸さんは新著「コロナ時代のパンセ」(毎日新聞出版)の序文を、深い慨嘆の声から書き起こした。2014年から今春にかけて発表した論考・随筆集。日本社会に特定秘密保護法、安全保障関連法という名の「戦争法」が登場、パンデミック(世界的大流行)に見舞われ、人々の内面がすさみゆく時代を一つの生体として感受し、記録した。

 ▽切実な関心

 新型コロナウイルス禍を「有史...