島根県川本町三原地区で継承されている「小笠原近重流三原田植えばやし」が2日、同町南佐木の三原八幡宮で披露された。田植え歌に合わせて、はやし手が太鼓や笛を鳴らし、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願った。
1585(天正13)年、川本町を拠点に石東地域で権勢をふるった武家・石見小笠原氏が、地区内に丸山城を築いたのを祝い始まったとされる。住民有志でつくる保存会(寺本勘吉会長)が1980年から、田植え後の「泥落とし」行事として毎年行っている。
今年は地区住民ら2~83歳の35人が参加。保存会の呼びかけで、地元の島根中央高校から1年生4人が初めて加わった。
三原まちづくりセンターから八幡宮までの約200メートルを、早乙女姿や浴衣、法被をまとった参加者が練り歩いた。境内では早乙女が「苗取り」「植え調子」といった田植え歌を歌い、はやし手が大小の太鼓や笛を鳴らして華やかに彩った。
大太鼓をたたいた島根中央高1年、岡部杏さん(16)=相模原市出身=は「地元の人とふれ合い伝統行事に参加させてもらい、良い経験になった」と話した。 (佐伯学)