<短歌>

 ◇安来塔短歌会(安来市)

ビバルディの「四季」の流れてくるやうな春の野に出で土筆摘みたり 安藤  功

漱石の岩波文庫の並びをり二十才で逝きし兄の古き書架 為国 角子

桑の実は父を待つ味桑の葉は摘む母の音遠くなりゆく 川井 恭子

リフトしまう音ひびきくる大山に東風を吸いこみ枯草踏めり 長島 光子

生花店のパステルカラーにそまる春マスクずらして香を確かむ 遠藤 ...