世界13カ国、総勢40人のトップパフォーマーが集うポップサーカスの中でも、誰もが認める努力家。ひときわ高いプロ意識を持つのがサラさん(27)だ。メンバー全員が体一つでアクロバティックな技を繰り出す演目・ハンドボルテージでチームリーダーを務める。
エチオピアのサーカス学校で才能を見いだされた7人でチームを構成。6年前の松江公演からメンバーは入れ替わり、サラさんも12年ぶりの松江への来訪となる。175センチ、83キロの体格を生かし土台を担うとともに、今回は全体のまとめ役として、過去のチームがなしえなかった「4段(人)タワー」を組み込んだ。疲れがたまる最終盤に、最も難しい技を持ってきて周囲を驚かせた。
日々は全体練習を約1時間半こなした後、それぞれが個人トレーニングに励む。体力と連携が欠かせない演目なだけに、皆の体調管理には細心の注意を払う。公演期間中は休演日であっても、チームの手本となって不要な外出を控え、体力の回復・温存に全神経を集中させる。
「私たちの評価はすべて、舞台で決まる」と心得る。挑戦したい技もさまざまに構想中と言い、あくなき探究心をのぞかせる。 (勝部浩文)