開店前の仕込み作業をする「ふれんち酒場びいどろ」のスタッフ=松江市殿町、同店
開店前の仕込み作業をする「ふれんち酒場びいどろ」のスタッフ=松江市殿町、同店

 島根県が新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた県内飲食業者に対し、1店舗当たり最大120万円の給付金制度を創設する。苦境が続く飲食店の経営者はようやくの支援を歓迎する一方、対象にならない他業種も業況は厳しく、窮状を訴える声が上がった。

 飲食店「ふれんち酒場びいどろ」(松江市殿町)は、コロナ禍以前の前々期比で売り上げが約4割減少し、給付対象となる見通し。経営会社の桐原学社長(58)は、東京都など感染拡大地域との支援格差を問題視した丸山達也知事の言動に関心を注いできたといい、「飲食店にとっては大変ありがたい」と制度創設を喜んだ。

 ただ、酒屋など取引のある仕入れ業者も同様に苦境にあえぎながら支援の対象外となり「厳しい状況を直に聞いているだけに心苦しい」と声を落とした。

 コロナの打撃は飲食業以外にも幅広く及んでいる。いやタクシー(同市東出雲町揖屋)は運行する貸し切りバスに対する県の助成や制度融資などを活用してしのぐが、売り上げは前期比で約3割以上の減少を見込む。

 タクシー事業は夜間営業の縮小も検討しており、森山雄宇社長(38)は「限られた人員の中で実態に即した事業構造に見直すしかない」と語る。

 松江、出雲両市で土産物店を経営する山善商会(松江市竹矢町)は「WeLove山陰キャンペーン」の効果も薄く、店頭売り上げがコロナ前と比べ半減以下に落ち込んだ。ネット通販が伸びているものの、減少分を補い切れていない。

 土江拓也社長(54)は苦境に陥っている同業者は多いとし、「さまざまな業種の企業から意見を集約し、県の施策に反映させてほしい」と訴えた。(久保田康之)