台風7号が15日昼過ぎから夜の初めにかけて山陰両県に最接近する見通しとなり、松江、鳥取両地方気象台は警報級の大雨や線状降水帯が発生する恐れがあるとして警戒を呼びかける。盆を古里や行楽地で過ごした人たちの中には、予定を前倒しして帰路に就く動きも。JR松江駅(松江市朝日町)では14日、帰省客が別れを惜しみつつ、足早に列車に乗り込んだ。
両気象台によると、15日午後6時までの24時間降水量は、鳥取県が多い所で200ミリ、島根県は東・西部が120ミリ、隠岐が50ミリと予想。1時間降水量も鳥取県では50ミリに達する場合がある。陸上の最大風速は鳥取県で20メートル、島根県東部で15メートルになる。
JRは15日、伯備線や山陰線で朝から順次運転を取りやめ、特急は陰陽をつなぐやくもやスーパーはくとなど、多くが運休。空の便は鳥取-東京の計7便、出雲-大阪の計8便などが欠航する。高速バスは一畑バスが出雲-大阪の運転を終日見合わせる。
台風の進路をにらみ14日の松江駅では、旅行かばんや土産袋を抱えた人たちが、改札前で見送りの家族や友人に再会を誓いホームへ。「みどりの窓口」も急いで切符を買い求める乗客で終日、混み合った。
松江市内の実家に帰省したが急きょ関西に戻ることにした、30代の会社員男性は「もう少しゆっくりしたかったが、しょうがない」と残念がった。
安来市内に母の実家があり、妹と1泊2日のサマーキャンプに参加した、東京都新宿区の中学1年の井谷彰宏さん(12)は「カサゴを釣って、自分たちでさばいた」と笑顔で夏休みの思い出を語った。
(高見維吹)